柿渋・弁柄

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柿渋・弁柄について

柿渋は漆とともに古くから使われてきた日本古来の天然の塗料です
もともとは渋色と呼ばれる独特の褐色の液体で強い臭いをともないますが木に塗ると日を追って臭いは消え色が変化します。
素材の補強や着色の他に防虫・防腐・耐水性といった特性もあり柿渋は、日本の古い木造建築のなかでしっかりと重宝されて来ました。
石油系の塗料や防腐剤の登場で影が薄くなりましたが近年の健康志向、環境への配慮の機運が高まるなか再び柿渋の有用性が見直される様になりました。

柿渋は染色に用いられることが多いのですが、ここでは木部塗装についてご紹介致します。
柿渋を単独で使用することももちろん可能ですが、下地を柿渋カラーで着色したり弁柄を加えることで色のバリエーションの幅を広げることができます。

【1】柿渋のみで仕上げる場合

素地調整 サンドペーパーをかける#180~240
刷毛塗り 木目に沿って塗装する。 塗布量100g/m2
拭き取り 塗装後、塗りむらや気泡を均一になる様拭き取り自然乾燥

柿渋のみで仕上げる場合

【2】柿渋カラーで着色する場合

■素地調整  木目を出したいときは塗る前に細かいサンドペーパーで木目を出しておく
■刷毛塗り 木材をよく乾燥させてから柿渋カラーを木目に沿ってぬる。気泡ができた場合、布で均一になるよう軽くふきとり乾燥。この作業を繰り返し徐々に着色する。
■仕上げ 十分に乾燥させたあと柿渋で仕上げる。

※柿渋カラーは同量の水で希釈、1回塗布
上部半分にさらに柿渋3回塗布

柿渋カラーで着色する場合

 

柿渋カラーは同量の水で希釈、1回塗布、テープより上部に柿渋3回塗布

【3-1】弁柄を加える場合

弁柄を水で溶いて着色する場合
弁柄を水で溶く。1:1位から始めて濃さを調整
下地調整の後木目に沿って刷毛塗りする。
しばらくしてから生乾きの状態でふき取る。弁柄は簡単に剥離するのでさらに2~3回「塗布してふき取る」を繰り返す。希望の色になったら乾燥させ仕上げに柿渋をしっかり塗布。
十分乾燥させる。(1ヵ月くらいで柿渋が完全乾燥すると布で拭きとっても弁柄が付着しなくなる。)

※弁柄(黄金)を同量の水で希釈2回塗布。上部半分にさらに柿渋3回塗布

弁柄を加える場合

【3-2】弁柄を加える場合

柿渋と弁柄をあらかじめ混ぜて塗装する場合
柿渋1L 弁柄150g目安
柿渋を水で溶く時のように簡単に溶けないので弁柄に柿渋を垂らしてペースト状にしてからさらに柿渋でのばしていく。すぐに塗装しないと分離沈殿してしまうのであまり作り置きはできない。塗布後、水で溶いただけの時ほど弁柄の剥離は起こらないが柿渋が完全に乾燥するまでは弁柄がとれやすいので注意。仕上げにもう一度柿渋をかける。

黄金弁柄を柿渋で溶いて2回塗り。テープより上部は更に柿渋2回塗り。

弁柄を加える場合
弁柄を加える場合

煤入弁柄を柿渋で溶いて2回塗り。テープより上部は更に柿渋2回塗り。

弁柄を加える場合
弁柄を加える場合

柿渋塗装、弁柄塗装ともに外部には適しません。
外部塗装する場合は上からさらに植物オイル(荏油、亜麻仁油、その他自然塗料)を塗布することをお奨めします。

※左煤入弁柄を柿渋で溶き塗布した後
上部 プラネットグロスオイルクリヤーを塗布
※右 黄金弁柄を柿渋で溶き塗布した後
上部 プラネットグロスオイルクリヤーを塗布

左煤入弁柄を柿渋で溶き塗布した後

柿渋・弁柄塗装施工例

柿渋施工例
柿渋施工例
柿渋施工例